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中津マオ『WEEKEND』【正統派シンガーの、サクセスストーリーへの険しい道】

鹿児島出身のシンガー。ムーディーな歌声とバックトラックの完成度は十二分なクオリティだといえる。こういうソロシンガーはたくさんいて、そういうソロシンガーばかりが出演するライブもかなり開催されている。そういう中から頭角を現していくというのは結構至難の業で、他とは違う特色をどう出していくのかということが絶対的に必要なのだが、彼女のような正統派シンガーの場合、正統派であるが故に難しい。正統派であれば同時代の無名シンガーたちとの競争だけでなく、過去のR&Bシンガーたちとも競わなきゃならないし、過去の有名正統派シンガーたちはみんな超絶歌上手いし、そことの戦いは本当に途方も無いものになる。だがそれで諦めてしまうようであればそれまでのことで、大変な戦いだなんてビビるヒマがあったらとにかくやるというのが正しいのだろう。中津マオもどういう勝算があるのか鹿児島から東京に上京し、このところは配信のみでの単曲リリースを続けている。その先にもっと大きな活動につながっていくかどうかは彼女自身にかかっているのだろう。それにしてもこのMVには3人の女性が映っていて、どれが中津マオ本人なのかが一見するだけではよくわからなかったりする。これからの新人なのだから、「絶対にこの人が中津マオだよね」というのがもっとはっきりと判った方がいいんじゃないのかなあなどと思ったりするのだが、どうなんだろうか。歌が上手いだけにそういうところでのアピールも強い方が良いんじゃないかなあなんて思うんだけれども、余計なお世話なのだろうか。

(2018.11.30) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl