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Ancient Youth Club『Manhattan』【これからどういうキャリアを歩んでゆくのか、楽しみになる】

2016年のEP『For,Emma』からの「Stay」も話題になった佳曲だったが、あくまで個人的にはこの『Manhattan』の色気とリズム感に心を揺らされる。まだまだこれからのバンドゆえに曲によって振れ幅や未知数なところはあれども、この曲に宿るロマンティックで煌めいたエレクトロ・ポップの妙味と、陰翳と甘美さを帯びた空気感は麗しい。

70代後半から80年代のニューウェーヴ、ニューロマンティックの香りを持ちつつ、昨今、インディ・シーンの一部で盛り上がりを見せるディスコ・ポップの引き合いとしてオーストラリアのマイアミ・ホラーや今や世界的に重要なプロデューサーになったRACの持つセンスや温度感などと共振しながら、マイアミ・ホラーが例えば、“Disco House Throwback Style”と形容されるのと似て非なるのは、日本、そして、現在の彼らの活動拠点の北海道という場の持つ独特な湿度と叙情性が根元にあるからかもしれないと思う。また、ボーカルの大野佑誠のどこか儚げな声質に、過去のインタビューでGalileo Galileiの影響と日本語の綺麗さに対しても言及していたように、シンプルながら日本語ならではの切なさも響いてくる。このたび、7インチ・シングルとしてアナログ化され、こうしてMVも公開されたことでじわじわとでも注目がより高まることを願いつつ、これからどういうキャリアを歩んでゆくのか、楽しみになる。

(2017.12.12) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))


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review, 松浦達

Posted by musipl