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テスラは泣かない。『自由』【自由を行使するにはこのくらいの勢いが必要なんだな】

自由って良い言葉だ。そんなのわかってるけれど、いざ自由を手にしたら持て余すという場合も結構多い。自由に慣れてない。自由っていえば何したっていいのであって、1日中寝てたって誰にも文句なんて言われない。それが自由だ。けれども1日中寝てるということに慣れてない。誰かからぐうたらだと言われそうだ。だから周囲を気にしたりする。かつて会社を辞めたときに次にやることなんてすぐにないし行くところもないから、しばらくは寝て暮らしてた。見たことのないワイドショーが面白いぞ。ゆっくり起きてきてはワイドショーを見たりしてた。しかしそういうのも飽きてきた。それに、すぐ近くに住んでいる大家さんはどこにも行かない社会人(のはず)の僕を不審に思っていないだろうか。そんなこともあり、ちょっとずついろいろなことをやり始める。

考えてみれば、そんな「大家さんが不審に思っていないだろうか」というのが余計だった。ワイドショーに飽きて、何かやりたくなる。それだけでいいのに、他人の目を気にしたりする。それが、まだまだ心が不自由なままなんだなあと今になって思う。そうはいっても、社会の中で生きている以上まったく気にしないわけにも行かないけど。おっさんとしては真っ昼間に近くのスーパーで買物をしてたら、何してるんだろうかと思われたりしないかとか思ったりする。まあ思われてもいいけど、そういうのを当たり前に受け入れて欲しいし、見逃して欲しい。自由を貫く時、本当に壁となるのは取り組むことの困難そのものじゃなくて、自由を貫こうとする自分を揶揄する他人の声だったり、その声に負けてしまいそうになる自分の心の弱さだったりする。

まったく何の話かわからなくなってきたけれど、この曲はとても良いと思う。自由というものを「胸を張って進めよ」「いつだって胸の高まる方へ」と鼓舞してくれる。軽快な鍵盤の音と通常のロックサウンドよりもかなり多めのドラムの打音。これらが曲のテンポ以上のアップテンポ感を打ち出してて、自由を行使するにはこのくらいの勢いが必要なんだなとあらためて思い起させてくれるし、なにか世間の逆風に逆らって自分の道を貫くのが難しそうに感じられる時、この曲をエンドレスで流しながらだったらズンズンと前に進めそうな気がしてくる。3分55秒という昨今のロックバンドの曲としては少々短めのサイズに仕上がっているが、同じ歌詞の繰り返しでいいから、延々と繰り返して1時間というサイズのバージョンもあれば、自由に向けて鼓舞してもらいたい人にとっての定番応援ソングになるんじゃないかななんて勝手なことを思ったりする。

(2019.11.14) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl