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LUCKY TAPES『Actor』
【このサウンド的断捨離作業の先にあるものは?】

注目してるけどなかなか新曲をリリースしない彼ら。CDという形では2019年のリリースは無くて、配信でこの曲をリリースしたのみ。いい線行ってるのに解散とかいうバンドも多い中彼らはどうなんだと心配したりなんかして。だからこういう配信1曲のリリースであっても、リリースされればちょっとだけホッとする。メジャーでデビューしているのに会社として新人がそのペースでいいのかという疑問はあるものの、まあそのペースというのも令和の音楽シーンでは当たり前のことになるのかもしれない。

そんで昨年リリースしてくれてたこの曲の完成度の高さったら期待を裏切らないクオリティで感心する。力の入ってなさ、と僕は表現する。自然体と言った方がいいのか。昨日レビューしたPLUEの「弱気さのリアル」とはまた違った力の入らなさ。3年半前にレビューしてた「TONIGHT」などはそれなりに力が入っていたような気がするし、それはポップを表現する者のあるべき態度として当然なのだけれど、そこからどんどん引き算をするように、余計な力をひとつひとつ取り外してきたような、断捨離の美学にも通じる自然体がこの曲にはある。前作の「MOOD」でもかなり削られた感があったものの、さらに削るかと驚かされる。それは彼らの歌詞の中にも現れる。

   飛び交う言葉に惑わされたり
   大事な台詞を聞き逃したり

   これじゃ足りないあれじゃ足りないってさ
   そんなんじゃなれないよスーパーヒーロー

おそらく、情報過多の世界で溺れることを危惧するからこそ、削るのだ。削ることによって本当に必要なものだけが残る。もちろん必要なものまで削って捨て去る可能性だってあるけれど、それでも果敢に削って捨て去って、本当に残されたものがサウンドとして提示されると、その中にこそ本当に聴きたい音楽があるんじゃないのかなと少しばかり期待している。彼らのHPによれば4月に新曲が配信リリースされるとか。新曲の配信か。また1曲だけとかじゃあるまいなという想いと、このサウンド的断捨離作業の先に12曲程度のアルバムが提示されるなんてことも現実的じゃないよなという想いとが交錯してしまう。

(2020.2.4) (レビュアー:大島栄二)


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LUCKY TAPES, review, 大島栄二

Posted by musipl