<!-- グーグルアナリスティック用のタグ -->

NEMURI『99℃のセンセーション』【自分たちがその時その時に作りたい音楽を純粋に】

さらりと聴けば聴き流すこともできる曲。特別に「私たちの音楽を聴きなさい」みたいな圧力を持たずに淡々と流れる。しかしよくよく聴けば細かな工夫が詰め込まれてて興味深い。「私たちの音楽を聴きなさい」な曲は、その時点でけっこうウザいし、圧力に負けて聴いてみたところで、聴くべき何かなどまったく無い、ただの自己承認欲求の固まりみたいな作品だったりすることが多い。この曲はある意味そういう有象無象の曲たちとは対極にある、聴き逃したら損をする系の曲だと思う。

エレクトロバンドと自称していて、にもかかわらずエレクトロエレクトロしていない。こんな電子機器を駆使しましたよというエレクトロサウンドは多いけれど、この曲の場合後ろの方で薄らとシンセみたいな音が鳴っているだけで、どこがエレクトロなんだと思う。このMVでもギターとドラムのスタジオ演奏シーンが延々と映されてて、生で演奏してることが前面に出てきている。こういうのを見ても、自己承認欲求とは別のシステムで動いているバンドなのだなあと感じられる。そもそも、「○○バンド」といった肩書きというのは自分たちを他と違う存在であることを主張する意味で使われていることが多い。ピアノロックバンドといえばピアノを弾くメンバーそのものと音がやけに強調される。バイオリンロックといえばそのメンバーがステージ中央に立ってたりして、曲もその楽器が強調されるような作りになっていたりする。それもまあひとつの戦略ではあるけれども、NEMURIのようにエレクトロバンドといいながらもエレクトロ的な音は薄らと流されているだけという方が、その肩書きに左右されることなく自分たちがその時その時に作りたい音楽を純粋に作ることができるのではないだろうか。

(2020.7.9) (レビュアー:大島栄二)


ARTIST INFOMATION →


review, 大島栄二

Posted by musipl