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宇多田ヒカル『二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎』
【この音楽異種格闘技戦、ホントにコワい、ええコワいです】

コラボってすげえな。いや、コラボって基本的には個性と個性のぶつかり合いなわけで、言ってみれば音楽格闘技。どちらの技が相手を打ち負かすのか(結局勝ち負けの世界から抜け出せないのか!)なのだが、どんな異種格闘技戦に参入しても負けることはないだろうと思われる2人がコラボですよ。ええ、スゴいですよ。2人2様の武器みたいなのを惜しむことなく繰り出して相手をなぎ倒そうというような迫力を感じます。冒頭宇多田が全然笑ってない笑顔で淡々と歌ってて(もうこの時点でコワい)、そこに被ってくる椎名林檎の「何、その程度なの?」と言わんばかりの無表情。そして2番でがっつり響かせるリンゴソロ歌唱。この人の声はやっぱ迫力ですわ。第一声でKOしちゃいますわよ的なインパクト。その一撃をさらりとかわして微笑む宇多田。ホントコワい。初共演となる2人が画面の中では抱き合ったりしてて、歌の中身がバカンスを楽しみましょうみたいな感じで、しかもゴージャスにってことで映像も近未来SF映画、STAR WARSのスピンオフみたいな感じでホントゴージャスなんだけど、全体から伝わってくるピリピリ感は一体何なんだろうか。これを超える緊張感を日本の音楽で感じるためには、もう桑田佳祐vs長渕剛vs矢沢永吉の三つどもえのコラボが実現する以外にはないのではないでしょうか。いや、その場合の緊張感はこの宇多田ヒカル&椎名林檎の場合の緊張感とは違う種類のピリピリ感なんですけどね。

(2017.6.13) (レビュアー:大島栄二)


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