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secondrate『回想電車』【ズルいけど、音楽はすごいよなあ】

普通に泣く。泣くよな。別れることになった彼女を駅まで送っていってそこでお別れで、別れを惜しみ哀しむ男の側の歌。なんでこんなことになったんだろうと苦しい胸の内を吐露する男。でも歌詞をよく読むとこんなことになったのは男の側の優柔不断というか、自分勝手なポイントがそこここに滲み出ている。2番では同じ別れのシーンを女性の側から歌っていて、そこに溢れる未練を断ち切る強い意思。この違いは一体なんなんだろうと、これは歩調をあわせてずっと過ごしていくのは無理だろうなあと率直に思う。「春のような暖かい風」が、男にとっては冷えた心を慰めるもので、女性にとっては冷えた季節を終わらせるもので。いや、別れて辛い方がそんな風如きに慰められてどうするよと思うのだが、慰められたと感じちゃっているのだから仕方ない。一方で女性が過去を断ち切る何かと感じているのに。別れたのに「いつか二人また会える」とか最後に「またねと呟いた」とか勝手なことを妄想してて。会えねーよ、もう。しかし概して男というのはそんな優柔不断なダメなヤツなんだろうなあ。そういう男の身勝手さの果てに別れることになった歌なのであって、それなのに泣けるというのは、別に僕が男で男の哀しさに泣けるとかそんなのではなくて、このボーカルの歌声やメロディー、アレンジの持つ力の故なのだろう。音楽はそういう点で、とても力強いし、ある意味ズルい。ズルいけれども、だからこそ辛い時に弱い心が助けられるような効用があって、だから音楽はすごいよなあと、こういう曲を聴くと心から思うのだ。

(2017.11.10) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl