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My Hair is Bad『戦争を知らない大人たち』【秩序や共同体が壊れるときに人は何に向かうか】

“戦争を知っている大人たち”の一人として、秩序や共同体が壊れるときに人は何に向かうか分かるだろうか。支え合いや互助もあれども、結局は痛覚への「麻痺」だと感じる。現実感の麻痺。目の前に起きていることに思想が追いつかない。ギターノイズに塗れて、四畳半に行き交う想像力と日常との対比。それを上回る戦争の予兆/グッド・ナイト。背反しながらこの今に響くのは切なくも一つの真実なのだろう。戻れない道で、捲し立てる日常の言霊が昇華されたときにフィードバック・ノイズがきっと束の間、あなたの内なる叫び声を許してくれる。

バロウズ、ケルアックなどのビートニク文学の短篇をリロードするように今、路上にこそ生々しい声もこぼれている。ボブ・ディランやパティ・スミスなどの詩篇は路上に、と。12月はそんな詩的な季節だけに、彼らがいよいよブレイクの渦中にあるからだけにしっかりとまず、彼らのアティチュードを知って、そこから彼らの音楽性の奥深さと衝動を感じてみるのもいいと希う。散文詩から光へ。

(2017.12.18) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))


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My Hair is Bad, review, 松浦達

Posted by musipl