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THE 118’s『僕の言い訳』【言い訳っていうのは何のためにやるのだろうか】

言い訳っていうのは何のためにやるのだろうか。何か悪いことをした場合に、そうしなければならなかった理由があったんだと説明する、それが言い訳なのだろうと思う。その「悪いこと」は本当に悪いことなのかという検証はされたのかということも問われるべきなのに、それがされることは稀で、いつも誰かが勝手に決めたルールに対して一方的に正邪や善悪が当てはめられる。この曲の冒頭で「歯車に合っていないとこをやり直す機会があるなら教えて」と歌われる。歯車ってなんだろう。もはや古典というか歴史というか、チャップリンがモダンタイムズの中で歯車に巻き込まれるシーンを演じた。それが古いというならばそれもいいだろう。ただあのチャップリンは歯車になってみようとしてそんなのできないよと笑いを誘った。だが歯車になれないこと自体を現代人は後悔するのだろうか。この曲のこの歌詞だけで現代人の常識を論じるのはバカげているとは思うが、滲み出る普通の人の意識の一端はあるのだろう。いつもの僕はそうじゃないんだ、馬鹿だねと歌う「僕」は、実際はどうしたいのだろうか。歯車になれていないことを怖れ、どうすれば歯車になれるのか、そのために個を削り、付け足し、形をその他の歯車にあわせていくのか。だいたいに於いてルールを決めてるのは老人世代であって、まあいろいろな経験や知見をベースにしてルールは決められていたりするので全部無意味とはいわないものの、数十年前の常識にあわせたルールにはもはや害悪でしかないようなものもあることは事実。そういうのに出くわしたら、言い訳などせずに徹底的に反抗してみるというのも良いんじゃないかなあと思うけど。もちろん、ほとんどの言い訳は本当に怠惰だったり失敗をしたときの必要な方便であるとも思うけど。

THE 118’sというバンド名、なんて読むのかなあ、「ざ、いいやーず」かなあ、それとも「ざ、いいわけーず」なのかなあ、なんて妄想していたら、HPに「ザ ワンハンドレッド エイティーンズ」と書いてありました。キレのいいギターとビートのロックサウンドが、ワイルドでとても心地良くて、今後が本当に期待できそうなガールズバンド。明日が1月18日で、THE 118’sのレビューをするのは明日がいいかなあと思っていたけれど、どうやら”THE 118’sの日”は11月8日らしいです。

(2019.1.17) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl