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NONA REEVES『遠い昔のラヴ・アフェア』【ベテランアーチストだからの余裕を感じたりする】

みんな大好きNONA REEVES。え、好きじゃありませんか? 好きでしょう、みんな大好きでしょう。何がそんなに大好きなのかと考えてみれば考えるほどわからなくて、何がそんなに魅力なんだろうか。よくわからない。動画の再生回数もせいぜい1万5千回程度で、メジャーなんだからもっと聴かれてるんじゃないかと思うけれど、そんなに再生されていない。大好きなんじゃないのか。みんな大好きと思ってるのって、僕とその周囲にいるマニアックな人たちだけなのか。僕の周囲はみんな大好きみたいなんだけれどなあ。おかしいなあ。

まあ誰かが好きだから聴くというのは邪道で、やっぱり自分で「好き」と思うから聴くべき。たとえ自分以外の全人類が好きだと言ってても、嫌いなら聴かなきゃいいし、その逆ももちろんアリ。こうしてレビュー書いてても「絶対に聴きなよ、良い音楽だから」なんて押し付けようという気はさらさら無くて、まあこれを機に1度聴いてみて、気に入ったらファンになればいいじゃんという程度のこと。だから数年前の彼らのMVは100万回以上も再生されてるとかもどうでもいいことで、100万回再生されているから良い曲だと思い込むのもおかしな話。しかし、ちょっと調べたらその100万回再生されているMVは彼らのYouTubeチャンネルにアップされているもので、これは2017年から戻った古巣のレーベル、ワーナーのチャンネルで公開されている。この違いも再生回数への影響として現れているのかもしれない。まあいろいろ大人の事情があって、どこのチャンネルで公開するかということは決まっているのだろうけれど、その辺はもっと柔軟にやればいいのにとか思う。

話がそれまくってしまったが、NONA REEVES。日本人にはなかったポップセンスで登場して以来20年以上。その当時はかなり驚いたし業界でも結構話題になって、当然のように、売れた。ルックス的にはイケメンとは言い難い西寺郷太から生まれてくる音楽はイケメンそのもの。音楽にイケメンという言葉を使うと大きな誤怪を生じさせそうだが、キレッキレの音楽。そんな彼らの幅広いレパートリーの中でもこの曲はしっとりとしたミディアムバラード。いい。実にいい。ただこの良さがけっこうスタンダード的というか、落ち着いているためか、けっこう地味。キャッチーな意味で新しいファンを獲得するような種類の曲じゃない。これも彼らがもはや新しいファンを獲得することに汲々としているわけではない、ベテランアーチストだからの余裕を感じたりする。スタジオワーク風景を中心としたMVにチラリと映るライブ風景。客席にいる人たちが立ってるけれども激しく乗るという雰囲気ではないのがまた、らしいなと思わせてくれて興味深い。

(2020.2.1) (レビュアー:大島栄二)


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NONA REEVES, review, 大島栄二

Posted by musipl