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spoon+『クローゼット時間』【コケティッシュな声が気になって全曲聴いてみた。良かった!】

こういうコケティッシュな声は好きだし、耳にすれば「ん?」とその存在を確かめに行く。誰だろうこれと。このMVではcharaを想起させるし、sleep warpを思い出してしまう。もちろん声が好みの傾向だから全部OKということではないし、当然その根底に良質な音楽が無ければだめなんだけれども、このspoon+というのはその根底の部分がまたとてもイイ。新作がSpotifyにもあったので全曲を聴く。カラフルなポップサウンドを基調に様々な表情が並んでいた。声の感じもこの「クローゼット時間」の声と同じものばかりということではなかった。エフェクトをかけてあったりボーカルを重ねてたり、そもそもサウンドのテンポが違ってくるだけでボーカルの印象は変わっていってて。その中でこの曲と「チャイム」という曲がもっともボーカリストの素に近い感じなのではなかろうか。そして、この曲がMVに使われているだけあって、リード的な、インパクトもエモーションもある存在感十分な曲だった。かつてcharaが出てきた時にずっと聴き続けようと確信したのはその声の故ではなくて、charaが持っていた彼女にしかない独特さと、その独特さの心地良さだったはず。そういう意味でも、このspoon+というユニットの、最初は声からのひっかかりであったにせよ、こうして全曲聴いてみたいと思う段階でかなり興味深い音楽という予感があることは間違いないし、聴いたあとにその予感が確信に変わりつつある。spoon+を主導しているあこちゅあという人も一筋縄ではいかない人のようだが、一筋縄ではいかないくらいでなければ個性を形にすることなど出来ないのだ。そのこだわりが自分だけの満足に収斂することなく、多くのリスナーを結果的に満足させるような形で昇華していけばいいなと願うばかりだ。

(2018.2.1) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl