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mahina『彗星の尾っぽにつかまって』【世の中にはメルヘンなものというものがあって、ではメルヘンって一体なんだろう】

世の中にはメルヘンなものというものがあって、ではメルヘンって一体なんだろうと思うとよくわからない。絵本に出てくるような世界がメルヘンかというとそうでもないだろう。白雪姫やシンデレラはメルヘンっぽいけど、桃太郎はメルヘンではないよな。じゃあ白雪姫が本当にメルヘンなのかというと、じっくり考えればそうじゃないような気もする。ジブリはどうだ。トトロはメルヘンか。メルヘンのような気もするな。でも千と千尋の神隠しはどうだ、けっこうおどろおどろしいぞ。いやおどろおどろしいのがメルヘンじゃないという定義もどうかと思うし、じゃあ妖怪人間ベムやどろろがメルヘンなのかと問われたら、そりゃ違うよと断言してしまいそうな自分もいるし、そんな自分に絶対の自信があるのかというとそんなこともない。

しかし世の中にはメルヘンというものは確かにあって、このmahinaというバンドの曲は、確かにメルヘンのような気がする。MVが典型的なメルヘンなアニメになっていて、いや、典型的なメルヘンってどんなもののことだよってツッコミはとりあえず置いておいて、じゃあこの曲をMVの動画無しに聴いた時に、それはメルヘンになりうるのかどうか。個人的な見解を言わせてもらえば、ええ、この曲は曲自体でメルヘンですよと申し上げたい。場末の居酒屋でむさいおっさん同士の飲み会のBGMとして流れたとしても、むさいおっさん同士でそこに居ることを一瞬忘れて、メルヘンな気持ちにさせてくれるんじゃないかと思います。

ここまで書いて思ったのですけれど、サンタクロースはメルヘンなのかどうかという問いをした時に、それはメルヘンでもあり、メルヘンでもなし、というのが正解なのではないかということに気がつきました。サンタはいるんだ、クリスマスイブにはプレゼントを運んできてくれるんだということを信じている人は、その人の心持ちそのものがメルヘンであって、サンタなんかいないよと解ったようなことを思っている人は、もう既にメルヘンなどではないのではないかと思うのです。

全世界75億の人の心が、メルヘンでありますように……。

(2019.5.20) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl