Flying Lotus『More (feat. Anderson .Paak)』【彼の審美眼への信頼感たるや！　それは彼の作品自体も同様だ】

現在、最重要レーベルの一つ、Brainfeederのボス、Flying Lotus。待望の新作が発売された（契約上の理由により、彼の作品はWARPというレーベルから出ている）。まずはボリューム満点でいて、統一感のある内容に驚かされる。このアニメーションMVは、Flying Lotus自身がファンと公言する渡辺信一郎が手がけている。何しろ、彼は根っからの日本アニメフリークらしい。この曲ではないのだが、アルバム内でもドラゴンボールのサンプリングが使われている（過去には、孫悟空のコスプレ姿で登場したこともある）。アニメーションの演出と曲のシンクロが抜群で、ビジュアル、音、どちらも最高にクールだ。自らレーベルを運営して、次から次へと気鋭のアーティストを世に出すFlying Lotus。アーティストとしてだけではなく、プロデューサー的な才能も兼ね備えている。安心のBrainfeeder印、とレビューでは何度か書いているけれど、彼の審美眼への信頼感たるや！　それは彼の作品自体も同様だ。つまり、新譜もまた傑作！

(2019.6.18) (レビュアー：夜鍋太郎)

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