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なきごと『ドリー』【なんだ結局1年前のレビューと同じことを書いているぞ】

1年ぶりのなきごと。やっぱりギターがカッコいい。特別な奏法をしているわけではないし、超絶な技があるわけでもない。なのにこれだけギターがカッコいいのはなんなんだろう。ときどきいるんです。サンボマスターの山口隆なんかもそうで、こいつギターを弾くために生まれたんだよなあという感じの。サンボ山口は人を惹き付けるギターというものを知ってて、そういうフレーズをこれでもかというくらいに弾くから判りやすいが、このなきごとのギタリスト岡田安未は魅せるギターとかどうでもいいのか、ただ単に弾いているだけで、彼女のギターが良いぞと認識する人は少ないんじゃないだろうか。もしかしてオレだけ? ハーモニクス音を多用したフレーズとか、野太い音色が伸びて響くフレーズとか、1曲の中でその表現の幅広さが遺憾なく発揮されている。それがボーカルと衝突しないように歌部分ではかなり抑えめのレベルで収録されていて、なんともったいないことかと正直思う。いやまあギターを前面に押し出して歌が聴こえなかったら多くのリスナーを失うのだから仕方ないんだけれども、もうちょっとガツンと、いっそギターのみのインストアルバムとか作ってほしい。なんだ結局1年前のレビューと同じことを書いているぞオレ。そんなんで良いのかという反省は無いわけではないけれど、1年を経過して彼女のギターサウンドが健在であったことを確認できたし、そのことをここで共有できたのであれば、それはそれで悪くないことだと思う。

(2019.11.28) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl