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KEEPON『夕涼みに』【HOSONOも注目する完全多重録音の若い奇才によるサウンドや如何に?】

KEEPONという高校生ミュージシャンの同時(?)多重録音風景MV。実際には1人が同時に録音できるわけがないので、それぞれのパートを録音して、その様子をビデオで撮って、あとから編集をするという作業の結果このMVはできている。このパターン、どこかで見たよ。Pomplamooseだ。Pomplamooseはジャックとナタリーの2人によるユニットで、だから一部サポートを除けば基本的にすべての楽器をジャックが演奏している。彼らのビデオもジャックがいろいろな楽器を演奏しているところを撮影してあとから編集して仕上げられていたりする。KEEPONのこのビデオもそうで、彼がいくつかの楽器を演奏しているところが全部見られるので面白い。ただ、このMVの場合は見せ方として面白くしようというよりも、彼が全部の楽器をやっているんだぜということを証明しようという目的の方が強いんじゃないだろうか。彼の新譜『パーティー/終わりの季節』はアナログ盤でリリースされている。知ってる人は気づくかもしれないが、収録の2曲は細野晴臣の名盤『HOSONO HOUSE』に収録されている曲で、そのカバー曲なのだ。それをKEEPONは1人で多重録音してレコーディングしている。今回そのミックスを細野晴臣自身が参加しているということで地味に話題になっている。細野晴臣も若い才能を育てるのに協力しようということなのか、それとも本当に惚れ込んでいるのか、はたまたヒマなのか、それはよくわからない。このMVはそのアナログ新譜のリリース近辺で公開されたもの。残念ながら新譜にも旧譜にも収録されていない曲で、ミックス的に完成されているわけではなさそう。全体的にこもった感じのサウンドになっているので、仕上がったサウンドを聴きたい人は作品を買うか、彼のYouTubeチャンネルに上がっているOFFICIAL AUDIOをどうぞ。まだ16歳の作品がどんなものなのか、これからどのように進化発展していくのか。16歳をまだまだ若造といって見下すのもいいが、世界に目を向けると10代のスターなんてたくさんいるし、グラミー5部門制覇のビリー・アイリッシュも18歳だし、KEEPONだって16歳だからといってのんびりしているべきではなかろうし、リスナーも早いところチェックして、その才能の如何を自分の耳で確認すべきなのだろう。

(2020.3.2) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl