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afloat storage『誰かが言う』【ただの縦型MVとは違う、ロック魂を感じるこだわり映像】

MVのタイトル横に「vertical video」と書いてあって、ああ、縦型のビデオねとすぐにわかる。イントロからスマホで撮影したかのような縦型の画面にギターボーカルが歌っている姿が映される。ドラムがフィルインする姿に移り、またボーカルに戻る。そこまでで約1分。そこから一気に画面が展開する。縦に構えていた画面が時計回りに90度動く。それまで立っていたボーカルが横に寝てしまうようになる。でも寝たわけじゃなくてカメラの角度が変わったのだ。それと共に普通に読めていた歌詞字幕も横に寝たような表記になる。言葉にするとなかなか伝わらないようなもどかしい感じだけれど、動画を見ればすぐに理解できるはず。動画が始まって55秒あたりで劇的に変わる画面。そこ、カメラが90度回転するんならその後は普通の16:9の縦横比にすればいいじゃんという気もしないではないけれど、それはパソコンで見ているからで、スマホで見ている人はそのスマホを自分で回転させればいいだけのことなのだろう。全体で2分1秒ある動画だが、曲自体は1分55秒で終わる。昨今は多くの曲が5分前後のボリュームがあるのが普通で、それに較べたら本当に短い曲で、イントロからサビのような印象的なフレーズがシャウトされたと思うと長めの間奏、それに続いて画面転換があって再びイントロと同じフレーズと長めのエンディング。普通の曲のサイズとはまったく違った構成で、稲見繭の空気を巻き込むような独特の歌声を十分に堪能する前に終わってしまう。それを楽しみたいという人はまた別の曲を探してもらうとして、僕はこの曲にいつまでも丸くなんてなるものかというロックミュージシャンの気概を感じるし、ただ単に可愛らしい声を売りにしているわけじゃないんだぞという怒りにも似た想いがにじみ出ていて、より強い興味が沸いてきたところだ。

(2020.4.28) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl