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poor man’s rose『エンドロール』【小さくとも意志の強い声のような、そんなしたたかさ】

この演奏シーンはどこで撮影されたんだろうか。白い背景でいっぱしのスタジオのようだけれど、わりと普通のマンションの1室に白い布を貼っていくつかの照明を設置して、頑張ってるなと思う。だがその頑張りで到達する映像には限界もあって、きっと彼ら自身の中にも、もっとああだったら、こうだったらという思いは多少なりともあるだろう。

しかし、そんなことはどうでも良いことだ。お金を出して撮影用スタジオで撮れば済むだけのこと。お金で解決できる程度のことで判断するような人のことは放っておけば良い。それよりも、このサウンドが与えるインパクト、緊張感、そのことの方が重要だ。ギターボーカル以外の2人が奏でるリズムはシンプルに淡々としたグルーヴを生み出しつつ、サビのところだけギターが掻き鳴らされる。ギタリストが2人いるバンドなどで幾層にもギターサウンドが重ねられ、間奏ではこれ見よがしなソロが披露されるような演奏とは対極的なシンプルさ。そのシンプルさがこのボーカル愛美が持っている澄んだ声質を活かしているように感じられる。バンドサウンドなのに、アカペラで歌っているかのような印象がある。しかしアカペラとはやはり違った、バンドとしての確かなビートがそこにはあって、小さくとも意志の強い声のような、そんなしたたかさを感じさせてくれるのだ。

まだ彼らのHPもなく、Twitterにあるわずかな情報しか手がかりはないのだが、どうやら福岡を中心に活動しているバンドらしい。うん、たしかに福岡に時折みられる飄々とした芯の強さがある、そんなバンドのようだ。いい。とても心地良くて、他の曲も聴きたくなってくる。

(2020.7.27) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl