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フジファブリック『たりないすくない feat.幾田りら』
【いろんな人とコラボして歌ってるフジファ】

フジファブリックのYouTubeではこのところ色々なシンガーとコラボ、というかフィーチャーしたパフォーマンスが多い。それは3月にリリースされた『I Love You』というアルバムにそういうコラボがいくつかあるからなのだが、そのMV動画では一緒に歌っているゲストシンガーが歌っているシーンがない。だからこの曲のMVバージョンでは歌を口ずさんでいる女性が幾田りらなのかなと思う。思うよな普通。そもそも幾田りらって誰だよという人も少なくないと思うけど、幾田りらはYOASOBIのボーカルのikuraです。そういわれると「ああ〜」と思う人も多かろうが、オリジナルのMVが27万回再生に対してこのライブ版が10万回再生というのを見ても、やはり幾田りらの名前で検索してたどり着く人はまだまだ少ないということなのだろう。ウィキペディアで彼女の項を見ると、YOASOBIよりも前にアコースティックセッション「ぷらそにか」のメンバーと表記されている。ぷらそにかはソニーの新人アーティスト養成講座の人たちを中心とした集団とのことで、ソニーは昔から新人発掘育成に熱心だなあと感心するしかないのだが、現状としては幾田りら以外はまだまだ無名といっていい。それでも数十人の中からYOASOBIのボーカルを1人輩出しただけでも大成功の部類に入ると思うし、musiplでも昨年成田あよりのMVを取り上げたりして、実力を持ったシンガーはまだまだいるので、今後なにかが起きて第2の幾田りらや、さらに超えた大スターが生まれたとしてもなんの不思議もない。

この動画にはもう1曲『ブルー』という曲も収録されており、『たりないすくない』のポップなテイストとはまったく違った世界を感じることができる。今でこそYOASOBIのボーカルとしてテンポの速い楽曲のイメージが強いikuraだが、まだ幾田りらとしてアコースティックの弾き語りをしてた頃(ググれば動画がたくさん出てきます)の感じはその『ブルー』の方がより近い。まだ売れずに注目もされずにがむしゃらに歌っていた頃の気持ちのようなものが、こういう曲を歌う姿の中に、売れた今でも滲み出てくるようで清々しい。

(2021.4.24) (レビュアー:大島栄二)


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