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植田真梨恵『彼に守ってほしい10のこと』

翻るに、椎名林檎、YUIやmiwa、更には、いきものがかりを含んでもいいかもしれない、フィメール・ボーカルとロック、ポップスの相性の良さは異性、もしくは対象性に向けてストレートにだけではなく、広汎に拓かれた「言語」でその歌が伝えられていることだということを感じる。女性のラブソングの言語は自身の生命性の根源を帯びる。男性のラブソングは抽象的な心身への降下を帯びる。中性的なラブソングでの“僕と、君”はつまりその間を縫うように根源と曖昧性を往来する。そんな中、ついにメジャーデビューを果たした植田真梨恵のこの曲は対象性(対象a)に向けての約束をJ-POP的に、ポップに、提示する。唄そのものが響くのか、歌を通した彼女の感情が響くのか、日本のシーンの内部でこの“10のこと”を守られる余白を持てるリスナーに期待したい。そして、彼女は“10のこと”の続きを描かないといけないと思う。

(2014.8.12) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))


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review, 松浦達, 植田真梨恵

Posted by musipl