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セットラウンドリー『ねえ、僕は。』【単純に美しいメロディ】

単純に美しいメロディ。サビの部分もサビじゃない部分も均等に力を振り分けられた印象の歌なので、ズドンとささるということは特に無く、でもじんわりと響いてくる。こういう曲は今のシーンにどうなんだろうか。とかく速かったり、とかく圧迫的であるような曲が氾濫しているような中では、いってみれば地味だし、迫ってくるような何かは存在していない。MVでは誰にも立ち止まってもらえないストリートライブのシーンから始まり、それを遠くから眺めている人が映しだされる。それが同居している人だということがその後の展開からわかる。そして最後には別の誰かが歌っている目の前に立って見てくれる。いや、いくら何でもその距離の近さはないだろという気はする。見ず知らずのストリート演奏の、その距離で立つ人はいないだろとは思うがそれはともかく。この、ようやくひとりが立ち止まって聴いてくれたというのを良い兆しと考えるべきなのか、それともずっと続けてやっとひとりかとがっかりすべきなのか。その判断が、その後のバンド活動をどう展開させていくのかに影響するのだろうと思う。良くない結果にすぐに絶望する必要などはないけど、かといって全然ダメな中のたったひとつのプラスにすがっていても発展は無い。それはバンド活動だけじゃなくて、普通の生活全般にいえることなのだろう。

(2018.1.16) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl