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君の蘇生を邪魔する『1962』
【社会不適合者バンド。久々にあやしいの見たな】

久々にあやしいの見たな。こういうのってある種のキャラ作りなんだと思う。例えば常にTシャツとジーンズだけでライブしててまったく飾りっけない感じで「魂の叫びを歌ってるロッカー」みたいなこと言ってるけれども、要は全然自分たちを売り込もうとかいう意識が欠如してるだけじゃんみたいなバンドがいて。一方で完全にキャラ設定を細かくやった上でそれを実践しているというバンドがいて、後者の極めつけは聖飢魔Ⅱだろうと思うけれど、前者の極めつけが誰なのかということは、とても怖くて言えません。

音楽を好きになる理由というのはたくさんあって、もちろん居酒屋とかコンビニとかでBGMで流れてた曲を他の情報一切無くて耳で聴いただけで本当に好きになってしまうというのはとても理想的なんだけれども、そういうことは本当に少なくて、実際には音楽以外の要素についての情報に接して気になり始めるということがほとんど。ほら、「最近人気急上昇中のバンド」とか「2020年にブレイクしそう」とかいわれたらちょっと気になるでしょう。そんな「誰かが注目している」なんて情報は音楽に一切関係ないのに。でも残念ながら人間ってそういうもので、話題の何かというものにはとても弱い。だから話題になるためにいろいろなことにトライする。それは音楽とは関係ないことだからそんなことするヒマがあったらスタジオで練習しろとかいうことを言う人もいるけれど、じゃあスタジオに入って練習してれば知らないうちに人気者になれるのかというとそんなこともなく、人気者になれなければせっかくの音楽を聴いてもらう機会も訪れないわけで、だからやっぱり人気者になるための努力は必要だし尊い。

で、話題になるためには話題にしてくれる人が話題にしやすそうなネタというか特徴をこちらから提供してあげる必要があって、「とにかく、音楽を聴いて判断してくれ」と言ってるバンドよりは「悪魔のバンド」と言った方がとりあえず「なんだろう?」的な関心を持ってもらえる。この君の蘇生を邪魔するというバンドがどういう意図でこのような社会不適合者バンドをやっているのかはよくわからないけれど、いろいろと考えてこの路線でキャラ作りをすると決めた以上、とことんまで突き進んで、社会不適合者界のヒーローとなっていただきたいものです。いや、もしかしたらキャラ作りなんかじゃなくて本当に素の社会不適合者なのかもしれないんですけれどね。それはよくわかりませんけれどね。

(2019.12.26) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl