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SLASH LYRIC『GoodBye』【それでも前に進むんだという決然とした意志のようなもの】

長野県の平均18歳のバンドのMV。長野市内なのだろうか、どこかの町を4人でズンズンと歩いて行く、そのうしろ姿を追っていく映像。けっして振り返ることなく歩いて行く。

  きっと会えるよまたここで
  GoodBye GoodBye

高校を卒業したタイミングなのだろうか、彼らはこのMVを公開したのとほぼ同時にラストライブを行なって解散したという。いろいろ人生あるもんな。岐路ってあって、メンバーが同じ道を進めるわけじゃないもんな。彼らのTwitterにはその活動への賛辞と感謝が並ぶ。カッコいいバンドだったんだろうなあ。しかしそんなの一般の人たちには関係ないことで、公開されたこうしたMVだけが彼らが存在した証となる。musiplではこれから伸びるかもしれないバンドやミュージシャンを微力ながら応援したいという想いもあって日々レビューしているけれど、じゃあこうしてもう解散したバンドの音に意味は無いのか、誰かが聴く価値がないのかというと、そんなこともないだろうと思う。もう亡くなったミュージシャンのサウンドが今も瑞々しく響いてきて、死後に生まれた若い世代にも再発見されるように、無名の解散バンドの音源もまた、良いサウンドなのであればまた聴いてもらう意味もあるし、僕らが聴く価値もあるのだ。

数年やってきたバンドの解散に際し、自ら惜しむ後ろ髪を引かれるような心持ちと、それでも前に進むんだという決然とした意志のようなものが滲み出る、聴きながらこっちまでも凛とした気持ちにさせてくれる曲だ。

(2020.6.18) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl