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kukatachii『Dance Till The Morning』【サウンドを言葉で説明したところでそれがどのようにスタイリッシュなのかは聴いてみなければわからない】

5年以上を経て、kukatachiを再び。スタイリッシュな音楽は健在。5年前には曲調が全体的にウェットな仕上がりと書いたが、今作はもっとソリッドに、全体的にソリッドになっているように感じる。言い換えるなら隙のないサウンドに仕上がっている。じゃあウェットな仕上がりというのは隙のあるサウンドということなのかと突っ込まれると答えに窮するのだが、とにかく、聴いていて迷いの無さを感じるのだ。完全武装してこのサウンドに真っ直ぐに向かってきて、そして完成させているという感じ。そもそもスタイリッシュなサウンドというのはどういうものなのかということ自体なかなか説明しづらい概念だと思う。演歌的な情念を基調とする表現は言葉で解説することも比較的容易で、仮に聴いていなくても凡そどんな作品なのかを想像できるし、させられる。しかしサウンドを言葉で説明したところでそれがどのようにスタイリッシュなのかは聴いてみなければわからない。そういうところがピュアに音楽的だなあと思ったりする。そんなわけで、やっぱりこれは聴いてください。MVで仮想の家のような映像が映されるし、それがキレイだなあとかユニークだなあとか、まあそんなことを感じるのもいいけれど、それだけじゃサウンドのカッチョよさには到達しないよなあなどと思うし。まあそれ、レビューする人の敗北宣言にも等しいのだけれど。

(2020.1.3) (レビュアー:大島栄二)


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kukatachii, review, 大島栄二

Posted by musipl