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ユメジカ『ジオメトリックガール』【どこかで流れてきたら、あの迷惑なくらいに主張してたバンドだなと理解するだろう】

デスクワークしてる女性の横でひたすらギターを弾いて歌いまくる男。ウザい。ストーカーだ。いやストーカーかどうかはわからないけれど、仕事してる時にこれやられたらウザイし迷惑なのは確実だ。鹿児島発のポップロックバンドということなのだが、この土臭さ(?)に非都会的なものを感じてしまうのは何かの誤解なのか、それとも僕の偏見なのか。みんなはどう思うのか、どう感じるのか。HPが見当たらないので正確なプロフィールはよくわからないが、この動画で作詞作曲映像監督にクレジットされている上馬場鉄也がこのギターボーカルなのだろうか。Twitterアカウントでは「てっちゃん」なので、多分そうだろう。この男性ボーカルの声質というか発音というかミックス時の処理というか、必要以上にくっきりかっきりしてて、それも耳元で歌われたらかなり迷惑に感じそうなポイントなのだろう。

とはいえ、じゃあ当たり障りのない邪魔にならない歌い方や表現が良いのかというと、きっとそうじゃないだろう。そんな邪魔にならない歌い方なんて、単なるBGMになりたいというのなら良いけれど、バンドとして個性を打ち出していくにはそんなんじゃダメだ。むしろ迷惑なくらいに存在を主張するくらいでなければ。そういう意味で、彼らは、イイよ。もう一発で覚えたし。この声で別の曲がどこかで流れてきたら、ああ、あの迷惑なくらいに主張してたバンドだなと理解するだろう。

てっちゃんのつきまといで困った女性は頭を抱え、そのうちにデスクから去っていく。去っていったかと思うとベースを抱えて再びフレームインしてきて髪振り乱しながら、てっちゃんと同じテンションでプレイする。ああ、彼らのライブは暑苦しいだろうなあ。しかも南国鹿児島だからなあ。できることなら、冬に観たい。彼らのライブは冬に観るべきだろう。冬だ、冬だ。間違いない。

(2020.1.13) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl