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未遂ドロップス『HANABI』【バンド全体としての未遂ドロップスが好きだ】

前回取り上げたのがおよそ6年前で、久しぶりに見た彼らのMVは迫力のある歌唱はそのままに、全体的にやわらかなイメージが広がる愛に溢れた作品だった。6年前がかなりガシガシと前に前に攻撃的で、ある意味聴く者を突き放しそうな感じだったが、年月を経て聴いたこの曲では、リスナーとも少しだけ距離を取りながら、内面のパワーを想いとして滲みださせているような印象で、ある種の包容力さえ感じさせる。ボーカルのぺつは前回のレビュー以降に俳優にもチャレンジし、そういった活動もまた歌唱に良い影響を与えているのかもしれない。彼らは未遂ドロップスのYouTubeチャンネルで有名曲のカバーにもチャレンジしていて、個性的な声質もあってかオリジナルとはかなり違った感じの、自分たちの表現手法を前面に出したカバー動画になっていて興味深い。静かな曲はそれなりに静かに、エネルギッシュな曲は原曲以上にエネルギッシュに。その静かやエネルギッシュの方向性が原曲とは違っていて、そこに彼らのオリジナリティというか、個性の源泉があるのだろう。だがこうしてオリジナル曲を聴くと、カバーに込められた個性はやはり何かの殻に覆われているのだなあと実感する。そのくらい、個性が、声が、活き活きと才気を存分に放っている。それこそがバンドならではの音作りなのだといえる。要するに、この曲が好きだし、単にぺつの声や歌い方が好きだというのではなく、バンド全体としての未遂ドロップスが好きだと、まさに確信させてくれた1曲になっている。

(2021.4.13) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl