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SHE’S『Higher』【苦労的なところを一切感じさせないというか、忘れさせてくれるようなマジックを持ってる】

SHE’S、選抜高校野球のテーマソングだったのか。そりゃあバンドとしても残念だったな。しかしながらバンドはまだ活動できる。今はあらゆるライブが難しい状況だけれどもそのうちにライブはできる。しかし高校球児はなあ、本当にかわいそう。つい先日夏の甲子園も中止ということになってしまった。それは野球部選手だけの話ではなく、すべての学生スポーツがほぼほぼ活動中止で、今年度の全国大会が無くなってしまった部活動も多いだろう。そういう運動部の3年生たちは活躍の場を失ってしまった。活躍の場を失うということは目標を失うということでもあって、はいそうですか、じゃあ次次という切り替えはなかなか難しい。運動部だけのことでもなくて、文化部だってあらゆる大会が中止に追い込まれているだろうし、部活動だけじゃなくて、修学旅行さえできなくなっている学校は多い。7月の修学旅行は無理だから11月に延期というわけにもいかないらしい。受け入れられる宿も限られていて、日本全国の小中高が修学旅行を円滑におこなうために、首都圏の電車のダイヤのように複雑なスケジューリングがおこなわれているのだから。好きなシーズンに振り替えということはできないし、さらに言えば、このコロナ騒動で受け入れ予定だったホテルやバス会社や旅行代理店が無傷で営業を再開できるのかさえあやういところだ。

話が逸れてしまったが、このSHE’SのMV。どこかの河原か何かで演奏をしているメンバーのシーンと、野球に取り組む子どもを応援するお母さんのストーリーが交互に映される。お父さんは早くに他界してしまったらしい。シングルマザーで家計収入をひとりで担って、子どものお弁当をきっちりと作ってあげるって、それだけで大変なのに休日に野球の練習を見てあげるって、もうスーパーお母さんだと褒めてあげたい。多少投球フォームがぎこちなくても大目に見たい。歌終わりの必勝おにぎりとか、そこまでやれるシングルマザーなんてもう奇跡に近いし、実際の野球少年お母さんはそこまでしなくてもいいですよと言ってあげたい。SHE’Sの爽やかな歌声と軽やかなサウンドはそういった苦労的なところを一切感じさせないというか、忘れさせてくれるようなマジックを持ってるなと思うし、こういう曲に身を委ねて苦労を苦労と感じずに過ごせて、日々を前向きに生きられるのなら、歌詞にあるように本当に高い高いところまで目指していけるような気分になるし、させてくれるポジティブな曲である。

(2020.6.1) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl